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醜い濡れ烏のありつたけ

💚マイメロニナリタイ💚

寝汗を多めに掻いた記憶が御座います。

まま恐ろしく、それでいて何処か素敵な夢を見ました。

 

10代後半の僕が美術の時間にダンボールの被り物を工作しました。

 

工作なんて面倒くさかったが故に出来上がったものは、ただ正方形のダンボールに頭を通すための丸い穴を開け、顔が外側から見えるようにと丸く開けた面に接したもう一面に自分の小顔サイズに合わせて小さな四角を切り抜いただけのとてもシンプルな被り物でした。

 

多感故自意識山の如し故学校でそれを被ることは何が何でも致しませんでした。

何とかそれを家へ持ち帰り、自分の部屋にてこっそりとダンボールを被りました。

 

その日から約3ヶ月徒らに自室にこもって過ごしました。

 

ある日僕は一つ決心致しました。「もうお母さんに悲しい思いをさせない。そして絶対に親孝行してあげる。」

 

そのことを叶えるためにはどうしてもまず部屋から外へ出る必要がありました。ということで、約3ヶ月ぶりに外へ出る計画を立てました。

 

ガウディと名付けられたその計画とは、兎に角知人に合わないことを目標に、

遠く離れたところにあるショッピングモールにて裸の美奈子を購入し迷惑ばかりかけてしまった母にそれをプレゼントをすること。

 

(ここからが夢で見た内容です。)

何とかショッピングモールの入り口までたどり着いた。長かった。

 

何をまず思ったか。兎に角お客さん皆

一人ひとりが無条件に羨ましかった。

 

何故かって?

 

だって見渡す限り誰一人として頭にダンボールを被っていなかったから。

 

自然な生まれ持った至って当たり前すぎる容姿を持ってして皆幸せそうにショッピングしていて…。と考え出すと

自分が可哀想でならなかった。

 

僕自身容姿だけには中々自信があった。

それ位しか褒められたことがなかった。

 

思った以上に人の目線を感じる。

 

今まで蜂蜜の様に何処までも自分を溶かしてしまった甘ったるい視線も、

今となっては剣。痛い。

痛い筈なのにこの甘ったれた脳みそが直ぐにその剣を蜂蜜に変換してしまう。

僕は自分の舌を思いきり噛み千切った。

 

そして、言い聞かせる。

「今の僕は昨日の僕とは違う。」

ガウディと言う使命を果たすべく、

一歩踏み出したと思った瞬間また一歩。

 

「…思いたい様に思わせとけっ。」

 

本屋さんは2階にあるらしくエレベーターに乗った。

 

2階に着き、一歩前進した瞬間、絶対に見てはならないものを見てしまった。

 

鏡さえ見なければ僕は僕だった。

明るい僕だった。ポジティブな僕だった。優しい僕だった。面白い僕だった。

可愛い僕だった。

…愛される僕だった。

 

ショーウィンドウに映る人間でないものを一瞬で自分だと認識した自分の潜在能力に驚いた瞬間、後ろへ倒れて死んでやろうと思った。しかし、後ろには自意識山そびえ立っていて叶わなかった。

 

無理に目をそらす。

 

昔は見惚れた。

 

今は目をそらす。

 

来たことのない本屋さん。

店員はイケメンぞろい。

イケメン店員が僕を見る。

以下省略。

 

美奈子を片手に矢の如く帰路を辿る。

 

「ただいま。」

「何処いっとったと。」

「本屋」

 

いつものパターンにプラス温。

「美奈子。欲しかったやろ。」

「えー。いーとー。」

 

      生きるため?

      慣れた手つきでラッパ飲み、

      体流しに風呂入る。

 

まあ久しぶりのお風呂。思いきり汗を

流した後のお風呂は…気持ちよくない。

 

地獄までのカウントダウンが始まる。

 

      風呂上がる。

      タオル以てして 体拭く。

      その勢いで 鏡見る。

 

想像以上に迫力があった。

しかし、ひと冒険で少し成長したのだろうか。自分から工作の才を感じた。

 

「何も怖くない。」

 

「何も失うものはもうない」

 

「今の自分が今の本当の自分」

 

「この自分で幸せになってやる」

 

幾度となく言い聞かせる。

 

吹っ切れた。

 

ダンボールに手をやり

ないと思いながら破くふりをした。

 

「ちょっと待ってよ。えっ。なんで。」

 

手がジリッとした感触を体験した。

 

破けた。

 

ダンボールが頭から取れた。

 

僕は約3ヶ月ぶりに自分だけの自然な生まれ持った至って当たり前すぎる容姿をこの目で見た。見入った。見惚れた。

 

敢えて何もなかったかの様にドライヤーを手にし髪を乾かす。

頭皮は敏感に櫛を感じ取り

痛かったけれどとても気持ちよかった。

 

そして敢えて何もなかったかの様に浴室を後にする。

 

(今の僕を見たらビックリするかな)

と思う暇もなく8つ年下の弟と再会する。弟は僕の頭を見て「ないやん」

の一言。

 

そして弟はいつも通りに、僕もいつも通りにリビングに入った。

 

自分の息子がダンボールを被ったまま風呂に入った訳であるからそれはそれは興味深かったのでしょう。母はちらっと僕を見た。

母の開いた口が塞がらない。

2秒後、母は口を動かし、

「ないやん」と一言。

しかし、弟とは違い母は涙していた。

その涙に母の昔と変わらない愛を、もう二度と感じることの出来ないと思って疑わなかった愛を感じ取ることができ、僕も思わず涙した。

 

ダンボールは早急に処分した。

 

 

 

 

僕はここで目を覚ましました。

 

早く元に戻ってやろうと思いました。

 

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